作品ジャンルによってよく使われるキャラづけには違いがあります。
今回は「女性向け作品」に注目し、よくあるキャラづけをタイプ判定と一緒に紹介します。
ついでに、どんな風に人気が出るかについても書いてみます。
定義
ここでの女性向け作品の定義としては、
男性キャラを中心に展開しているコンテンツ
とします。恋愛要素の有無は問いません。いわゆる「乙女ゲー」以外も含みますし、主人公が女である必要もありません。(一部の腐女子人気が高いジャンプ漫画あたりとはキャラ付けが共通している部分があるような気がしています。)
この界隈ですが、ファン層がいわゆる「古のオタク」ことINTJ・INTP・ENTP・ISTPの4タイプではなく「Xのオタク」ことINFJ・INFP・ISFPが中心なため後者の3タイプが好きそうなタイプが多く配置される傾向にあります。これはXがTwitter(青い鳥)として登場する前から変わらない傾向。

(※古のオタクとXのオタクについての詳細はこちら。)
その結果、男性向け(特に古のオタクに向けたコンテンツ)とはタイプ分布が大きく異なるんです。
今回取り上げてみようか、となったのはタイプ分布がかなり独特だからです。
タイプ別によくいるキャラまとめてみました
エニアグラムにはあまり触れない方向で行きます。ややこしくなるので……。
以下「古のオタク」「Xのオタク」といった言葉が頻出しますが、
「古のオタク」:INTJ、INTP、ENTP、ISTP
「Xのオタク」:INFJ、INFP、ISFP
のことです。ここ2グループの間でキャラへの反応が大きく違うので、キャラへの反応についてはこのグループ分けで取り上げます。ここに名前がない9タイプは(ISFJは若干Xのオタク寄りですが)どんなキャラでもおいしくいただけるタイプだと思います。
INTJ
だいたい裏で悪だくみしているようなタイプで、採用されるとしたらたいていは軍師ポジション。ENTJと違って欠席率はそこまでではなく、そこそこの人数がいる作品ならだいたい一人はいる。
Xのオタクタイプと共通点を持ちながらもXのオタクが苦手としているような分野に強いためXのオタクから「かっこいい」と思われやすく、エニアグラムタイプによっては突然このタイプにハマる人もいる。古のオタクタイプはだいたい言動の裏を理解している上に気が合いそうだと感じていることが多い。
INTP
浮世離れした近寄りがたさがあるが、中身は意外と優しい。趣味特化型&究極のマイペースタイプでまわりを心配させがち。女性向け作品の中央にいることが多く、作品の顔になっていることが多い。
古のオタクタイプとXのオタクで大きく反応が異なるタイプのひとつ。前者はこのキャラに感情移入しがちで、後者は作品の顔・世界観の一部として扱っていることが多い。
ENTJ
学級モノでは学級委員長として登場することが多い。INTPが同じようなポジションを担当することが多いため欠席になっていることも。世界観的に必要なければ登場しない(!)というとんでもない傾向の持ち主。
古のオタクタイプは同族シンパシーを感じることがあるが、Xのオタクから見るとほぼ真逆のタイプに当たるため苦手意識を持ちやすい。逆に自分に足りないものに惹かれてENTJキャラを推しているXのオタクもたまにいる。
ENTP
女性向け界隈の作品に登場する場合はだいたい隣にISFPかINFPがいる。ついでにそのISFPかINFPの理解者としてINFJも近くにいる。隣にいるISFP・INFPやINFJと一緒にコンビorグループとして人気が出るパターンが多い印象で、単体だと苦手意識を持っている人がたまにいる。古のオタクタイプは同族のノリを感じ取っている。
(これは女性向け界隈に限らずどの界隈でも見受けられるが)特徴的な話し方をするため台詞の言い回しだけでタイプを見破ることができる。また、笑顔差分が特徴的なことが多く、キャラによっては笑顔差分の表情だけで見破ることが可能なときすらある。
INFJ
リーダーからオタクまで何でもやってのける万能性がある。後述するINFP・ISFPの良き理解者となるタイプでもある。
Xのオタクが感情移入していることが多く、ママのように徹底的に甘やかしているケースも。女性向け作品では一番人気のキャラになることがある。同人誌を出しているオタクがファンに多い。
逆に古のオタクはこのタイプのキャラを苦手としていることがある。
INFP
ENTPの相棒として使われることが多い。ENTPのフォロー役で、ENTPに振り回されながらもENTPのことを唯一無二の存在として大切に思っている。
また、近年オタクキャラのテッパンタイプとして使われることも多い。女性向け作品に登場する場合は特にその傾向が強く、Xのオタクの代弁者になっている。Xのオタクからの支持率はかなり高い一方で、古のオタクタイプは「これ俺らじゃなくてXのオタクだわ」と冷静に分析している。
わりと女の子っぽい見た目をしていることがあり、よく女装をさせられる。自分が「かわいい」ことを自覚していることも多いが、オネエ系のキャラはあまり見かけない。
ENFJ
「主人公」と言われるだけあってヒーロータイプ。ENTJがいない場合は学級委員長として使われることがある。
女性向け作品ではENTJがよくやるポジションに配置されていることが多く、ENTJがやりそうなことをやってるなぁという印象を与えるキャラもちらほら。
やや女性的なタイプだからかたまにオネエ系がいる。
Xのオタク・古のオタク両方から好かれやすい珍しいタイプのひとつ。
ENFP
ENTP同様ENFPにも特有の話し方があり、台詞の言い回しだけでタイプを見破ることができる。
ちょっとぶっ飛んだ癖の強い「芸術家」がここに当てはまっていることが多い。ENFJ同様、やや女性的なタイプだからかたまにオネエ系がいる。
Xのオタク・古のオタク両方から好かれやすい珍しいタイプのひとつ。
ISTJ
いわゆる典型的な真面目キャラとして登場することが多い。たいていのポジションはESTPの相棒役か、主人公のフォロー役。
作中2番目に登場するキャラに多い。ESTPとはいいコンビ。
ISFJ
ISTJ同様、いわゆる典型的な真面目キャラとして登場する。ISTJと違ってなぜか「執事」に近いポジション(リーダーキャラの世話役)についていることが多い。主人公のフォロー役になることは稀。
リーダーキャラと一緒に登場することが多く、公式でカップリングが組まれていることがある。リーダーキャラはだいたいESTJ・たまにISTJで、ENTJであることは稀。
ESTJ
リーダー・御曹司系のキャラに多いタイプ。ISFJの執事を引き連れていることがある。
自分が仕切りたがる傾向があるため一人ぼっちにしてほしいタイプ(INTP、ISTP、INFPあたり)からは鬱陶しがられている。自分が誰かのフォロー役に回っていることは稀。
ESFJ
いわゆる「いい人」ポジションにおさまっていることが多い。トラブルに巻き込まれやすい常識人で、苦労人。
自分が仕切りたがるところがあるためESTJともども一人ぼっちにしてほしいタイプからは鬱陶しがられている。
ISTP
よく使われるパターンが2つあるタイプ。INTPと対になるようにして登場するケースと一匹狼として登場するケースの2つ。前者はINTPと同じ集団に属していることが多いがたいていは能力値設定がINTP>ISTPになっている。INTPに対しては同族嫌悪みたいなものがあることもある。後者は我が道を行くタイプで、イキっているタイプに多い。
Xのオタクでは好みが両極端に分かれやすい。たまに古のオタクが感情移入していることがある。
ISFP
主人公として使われやすいタイプ。喋るタイプから無口までなんでもござれ、女性向け作品の主人公をやらせたらこのタイプの右に出るものはいない。
キャラとして登場する場合はINFPと似たような……というか、ほぼ同じ傾向を示す。Xのオタクからの人気が高い。
ESTP
作品を引っ張っていくキャラに多いタイプ。たいていは作品のメインヒーローで作品の最初に登場するようなキャラに多い。INTPとは別の意味で作品の顔。
よくISTJの相棒(ツッコミ役)を連れている。ISTJとはいいコンビ。
ESFP
いつも女の子をナンパをしているようなタイプのキャラに当てられることが多い。
女の子と遊んでばかりいるけど実は……みたいなキャラはたいていこのタイプ。
おすすめnote紹介します
キャラに関して書いたものではないですが、各タイプの特徴を理解しやすいnoteを知っているので紹介します。

タイトルが「MBTI」となってますが、おそらく16 Personalitiesです。16 Personalitiesとして読んで大丈夫です。
おそらく男性の投稿者が男子校を想像して書いたであろう各タイプの特徴まとめです。「このタイプの男子高校生がいたらこんな感じ」を全タイプ分。女性向け界隈わりと男子校が舞台になることが多いですし読んでいて実際こういうキャラいるわー!となったので紹介しておきます。
(特に「休み時間に隅っこでカードゲームの話をしているグループ」として紹介されている4タイプのグループ。この4人組、本当によく見ます。)
おわりに
女性向け作品では他のジャンルには見られないようなキャラづけをされていることがあります。というわけで、まとめてみました。
あくまで個人の感想、ということはお忘れなく。

