「MBTI受けてきました!」とか言って16 Personalitiesの診断結果を上げている人がいます。
16 PersonalitiesはMBTI®ではありません。MBTI®協会に迷惑がかかっていますので、ちゃんと16 Personalitiesと言いましょう。ちなみに、MBTI®協会はこの件について怒りの声明文を出していたりしますが、16 Personalities側の見解が英語版サイトにしかないのもあって余計に誤解が広まっています。
よく勘違いしている人がいますので、いったんそれぞれが何物なのかについて説明しつつ、16 Personalitiesを改めて定義をしておきたいと思います。
これらは全部別物です!
今からあげるものは全部別物だという認識をしてください。
- 16 Personalities
- MBTI®
- ソシオニクス
- カーシーの気質理論
全部4文字の表記が使われやすい性格診断です。「INFJ」とか「ESTP」とかそういうやつですね。
これら4つは全部違った歴史を持っている違う理論なのです。ただ、どういうわけか同じ理論扱いをされていたり、ソシオニクスの理論をMBTI®に持ち込んでしまったりする例が後を絶ちません。
(Googleでよく検索される「MBTI 相性」なんかが典型的な例です。相性があるのはソシオニクスで、MBTI®に相性はないと書籍なんかにしつこく書かれていますが、それでもMBTI®を通して相性を知ろうとする人が後を絶ちません。相性知りたいならソシオニクスやろうぜ!)
ちゃんとMBTI®協会のワークショップに参加してMBTI®タイプを判定した人の中に、「16 PersonalitiesはINFPだけどMBTI®はINFJでソシオニクスはINFjだよ!」なんて人もいます。
この人が「わたしはINFPです」と言うとMBTI®がINFPなんだな、と思われてしまうのが現状です。本当はINFJなのに。
特に混同されやすいのは上の3つですが、実は全部生まれた国が違います。16 Personalitiesはイギリスで、MBTI®はアメリカで、ソシオニクスはロシアです。
そもそも16 Personalitiesとは

このサイトで受けられる性格診断のことです。イギリスで誕生しました。
韓国K-POP界隈で大流行して、その影響を受けて日本のアイドルでも受けてみる人がたくさん出ています。VTuberさんでも受けている人がちらほら出てくるようになりました。
16 Personalitiesってどんな理論なの?って話
16 Personalitiesがどんな理論かについてはちゃんと理論説明ページがあります。
16 PersonalitiesはMBTI®ではありませんという宣言すらあります。
ただ、これが日本語化されていないんです。英語版サイトに切り替えることで読むことができます。
We use the acronym format introduced by Myers-Briggs for its simplicity and convenience, with an extra letter to accommodate five rather than four scales. However, unlike Myers-Briggs or other theories based on the Jungian model, we have not incorporated Jungian concepts such as cognitive functions, or their prioritization.
Our Framework | 16 Personalities

超ざっくりまとめると、「MBTI®の表記法使ってるけどMBTI®やユング系の理論とは違って心理機能は取り入れてないよ!」みたいなことが書いてあります。
「MBTI受けてきた!(16 Personalitiesのスクショを添付している)」みたいな発言をしたり16 Personalitiesの結果を見ながらユングの心理機能の話(ユングの心理機能とは、内向直観Niとか外向感覚Feとかそういうやつのことです)をしたりしないように気を付けてください。16 Personalitiesは16 Personalitesと呼びましょう。
詳しく知りたい人は英語ページを自分で翻訳してください。
なぜこの誤解が生まれたのか
「MBTI®」と同じタイプ表記を使っているがために、それらをまとめて「MBTI」として紹介してしまったためです。いまMBTIと呼ばれているものは「同じような表記を使っているものの似た部分」がごちゃまぜになってしまったものです。
「この要素はMBTI®、この要素はソシオニクス」みたいなことになってしまっているのが現状で、今MBTIと呼ばれているものを16タイプと呼んで新しい理論にしようとする動きも出てきています。
(複数の理論を混ぜてオリジナルのものを新たに作り出す動きは心理学界隈ではあまり見かけませんが、占い界隈ではかなり盛んです。オリジナル占いで特に有名なものとしてゲッターズ飯田の五星三心占いや星ひとみの天星術があげられます。)
この結果、別の国で生まれた別の理論に対してMBTI®協会がMBTI®と同じ表記を使っているという理由だけで「MBTIもどき」として批判するという事態になってしまっています。
MBTI®自体はユングの性格類型をベースに使っていて、最後の一文字以外はユングが考案したものだったりします。なんなら8つの心理機能はユングのそれです。そんなわけで表記特に心理機能自体はMBTI®専用!ってわけではないですし、ユングの心理機能はソシオニクスでも使われています。
歴史を語ると長くなるので割愛します、気になる人はwikipedia読んでください。
このブログでの方針について
このブログで取り上げるのは「16 Personalities」です。「MBTI®」でも「ソシオニクス」でもありません。
そのため、「心理機能」「相性診断」の話は取り上げませんので、あらかじめご了承ください。前者はMBTI®とソシオニクスで使われている理論であって、後者はソシオニクスでのみ使われている理論です。どちらも16 Personalitiesの理論ではないからです。
(英語圏のキャラクター性格診断サイト大手の「Personality Database」も2018年ごろまでは「MBTI Database」というサイト名でした。知ってる人は知ってると思いますが……。)
おわりに
MBTI®とソシオニクスはそれぞれ別の国の理論ですが、出てきた時期が同じです。アメリカとロシアでたまたま同じようなものを考案した人がいた、というお話です。
アメリカ側がMBTI®でロシア側がソシオニクスなわけですね。
MBTI®の怒りの表明の書き方がよくないのもあって、MBTI®以外全部偽物!みたいな認識持ってる人もいる気がしていますが、実際のところは同じ表記を使っているだけの別物です。このへん混同してる人めちゃくちゃ多いので、正しく理解してください。
気軽にSNSで「MBTIやってみた~」みたいなこと言ってる人は自分が診断したサイトがどこなのかもう一度よく見直してください。たとえば「16 Personalities」ならあなたはが受けたものはMBTI®ではなく別の理論を使ったものですので。


