キャラクター性格診断にしろ、ネット診断にしろ、ワークショップにしろ、タイプ9が関係している誤診は非常に多いです。
今回はそんなタイプ9が関係する誤診についてのお話。
タイプ9が誤認されるケースが多いですが、タイプ9に誤認される他タイプも結構いるんです。
タイプ9関係の質問を受けることが多いので、このあたりでいったんどんな誤診パターンが多いのかについてまとめて説明させていただきます。
そもそもタイプ9関係で誤診が起きやすい原因
これはズバリ、「タイプ9はどのタイプにも染まれるから」。これに尽きる。
タイプ9はメインがタイプ9でありながら他のタイプのようにふるまうことができるタイプです。
このため、トライタイプのアーキタイプの2番目が表に出ているようなメインタイプ9の人をタイプ9だと見分けるのが非常に難しくなっています。
また、タイプ9と統合分裂の関係にあるタイプ3・タイプ6もタイプ9との誤診がよく発生するタイプです。特にタイプ3が発生しやすい傾向にあります。
タイプの一般的なイメージを理解しているだけでは無理!みたいなタイプ9、結構いるんです。今回はそんなタイプ9をアーキタイプ別に紹介していきます。
アーキタイプ別タイプ9関係の誤診あるある
アーキタイプごとに傾向が大きく異なるので、アーキタイプに分けて解説していきます。
今回取り上げるのはタイプ9が含まれる9アーキタイプについて。
なお、訳語については一葉にな愛用のトライタイプ解説サイト「墨色の糸」様の訳を使用させていただきました。

説明する順番ですが、よく取り上げられる順番ではなく
- 全ての元凶である279
- 他タイプがタイプ9と誤診されやすい269、379、479
- 統合分裂が主問題になりやすい369
- 遊離タイプ同士間での誤認が起きやすい469、459、259、359
の順で取り上げさせていただきます。たぶんこの順番で説明するのが一番わかりやすいので。
279「The Peacemaker(ムードメーカー)」
のんびりまったりおっとりしているゆるふわ癒し系マスコット。
おそらく多くの人がタイプ9と聞いて思い浮かべるのがコレ。ネット診断でタイプ9の説明とされている文章は9割くらいはこのタイプに関係するものです。実際、見出しの通りこのアーキタイプは「The Peacemaker」と呼ばれていますし。これ、タイプ9の別名まんまなんです。
それゆえに、このアーキタイプのタイプ2やタイプ7がタイプ9だと誤認されることがあります。
このアーキタイプで特にタイプ9と誤認されやすいのはソーシャルのタイプ7、その中でも多いのは健全な7w6です。ソーシャルのタイプ7はただでさえ自分の楽しさより集団の楽しさを優先しがちで(自分の楽しさを優先する詰め込みタイプと説明されることが多い)タイプ7だと判断するのが難しいがゆえに起きる問題です。
健全な7w6で起きやすい原因は健全であるがゆえにウィングのタイプ6が統合の方向であるタイプ9に向かってしまいタイプ9要素が強くなってしまうためです。その結果健全ではない通常のタイプ7以上に余計に判断がつかなくなることがあります。
タイプ9に関係する誤診のほとんどはこのアーキタイプの特徴がタイプ9のテンプレとして扱われすぎた結果です。なので「全ての元凶」と書かせていただきました。
これから紹介していく279とかけ離れているメインタイプ9が自分が当てはまるタイプがないみたいな混乱を起こす原因になっていたりも……。
269「The Good Samarian(善きサマリア人)」
タイプ2やタイプ6として誤診されやすいタイプです。タイプ9が誤診される場合は本能サブタイプはソーシャル率が高めで、ウィングは9w8と9w1両方います。
また、このアーキタイプはタイプ2やタイプ6がタイプ9と誤認されやすいタイプでもあります。
特にウィングが6w7で健全な場合に注意が必要です。ウィングに7が入っている影響で279に近い要素が入ってくる上に、健全である場合はメインのタイプ6が統合の方向に動きタイプ9に近くなっていきます。その結果、タイプ9のテンプレ的特徴を多く満たしてしまうのです。
タイプ2が誤認される場合は本能サブタイプが自己保存であるケースが多いです。自己保存のタイプ2は自分をかわいがられる存在であるとして愛されようとするタイプのため、癒し系キャラを演じようとすることが多いんです。タイプ9になりきろうとしているタイプ、と言えるでしょう。ウィングはどっちもいます。
タイプ6の場合は統合してタイプ9の特徴を見せるようになった結果誤診が起きるケースが多いのに対し、タイプ2の場合はタイプ9になりきろうとしてタイプ9らしく演じた結果タイプ9と誤診されるケースが多いです。メインタイプによって誤診に至るまでのルートがまったく違うのが面白いところ。
379「The Ambassador(大使)」
こちらはタイプ3やタイプ7がタイプ9「に」誤認されることが多いタイプ。
特に多いのはタイプ3で、ウィングが3w2でアーキタイプが379の人がタイプ9として誤認されていることがあります。
それでもメインがタイプ3なら自分を認めてって感じのオーラが出てます。輝いてる自分を見て!って感じっていうのかな……。明らかにタイプ9にはない輝きです。
他にも見分け方の例として。ソーシャル優位のタイプ3はSNSにはまりやすいので、ネット特にSNSとの付き合い方を見ると一瞬でわかります。明らかにのめり込んでいて自分をどう見せるかとかいいねの数とかばかり考えていたら高確率でタイプ3です。
479「The Gentle Spirit(妖精)」
タイプ7「が」タイプ9と誤認されることが多いタイプです。
このタイプ、メインがタイプ7であっても平和的なタイプなため、タイプ9の要素を強く持っていることがあるのです。このアーキタイプの場合、タイプ7でたまにある自分の楽しさ最優先のガツガツしている感じが出ていることはほとんどありません。
279のとき同様、ソーシャルのタイプ7が誤診されているケースが目立ちます。
タイプ9が誤認される場合はタイプ4と間違われることがある程度。タイプ7がタイプ9だと思われるケースよりは少なめです。
369「The Mediator(仲介者)」
タイプ9がタイプ6と誤診されることがあるタイプです。特に分裂が深刻な場合に多く、タイプ6にしか見えない人も結構います。
このタイプを見分ける鍵は成長の方向性を見ることです。このアーキタイプを構成するタイプ3、タイプ6、タイプ9はすべて統合分裂の線でつながっています。
タイプ3・タイプ6・タイプ9の統合の方向は「タイプ9→タイプ3」「タイプ3→タイプ6」「タイプ6→タイプ9」です。
どの方向に向かっているかを確認することで、その前のタイプがそのままメインタイプになります。タイプ3の方向性であればメインタイプは9、タイプ9の方向性であればメインタイプは6となります。
たとえこのアーキタイプの人が分裂中だったとしても、どの方向に成長しているか・成長しようとしているかを見分けることでタイプを判定しやすくなります。
なぜかタイプ3と誤診されたりタイプ3が誤認されるケースがあまり見られない不思議なタイプでもあります。これもおそらく成長の方向性に関係があり、このタイプのタイプ3はタイプ6と誤認されやすいです。
469「The Seeker(自分探しの旅人)」
タイプ4と間違われることが多いアーキタイプです。
自分探しをしている姿がタイプ4の人との違いを意識する姿と重なることが多いため、タイプ9がタイプ4と誤認されることが多いです。
このアーキタイプの場合、タイプ9かも?と思った時点でタイプ9である可能性が高いです。このアーキタイプのタイプ4は自分は人と違う!というところを必死こいて探している結果自分探しにのめり込んでいるタイプが多いですが、タイプ9のモチベとは明らかに違います。タイプ9の場合は自分が当てはまるタイプを探して渡り歩いているイメージです。
自分と違うところを探していればタイプ4、似たところを探している人はタイプ9であることが多いです。
459「The Contemplative(隠者)」
タイプ4・タイプ5どちらとも間違われることが多いアーキタイプです。そのかわりタイプ4・タイプ5がタイプ9だと思われることはほとんどない不思議なタイプ。
このタイプを見分けるポイントは囚われを確認することです。全部遊離タイプで構成されているアーキタイプなのもあって似た点が多く、それくらいしか確実に「こう!」と言える見分けポイントがありません。
メインがタイプ9の場合は明らかにタイプ9っぽいぞコレって感じの囚われが発露していたりすることがあります。具体例を出すなら「誰かとさようならするのが辛い」といった感じのものが出てきた場合は9割くらいの確率でメインタイプ9です。
259「The Problem Solver(知恵袋)」
タイプ5と間違われやすいタイプです。タイプ9でありながらタイプ5の要素を強く持っていることが多いためです。タイプ2と間違われることはあまりありません。
特に多いのはタイプ5のソーシャルと間違われるケース。メインタイプが9だった場合はだいたいタイプ9の自己保存だったりします。ソーシャルじゃないんかい!となるかと思いますが、そうなんです。ソーシャルじゃないんです。でもサブがソーシャルでセクシャルが盲点になっていることは多いです。
このタイプを見分ける方法は知識を集める目的を見ること。空虚さを埋めるために知識を集めているならタイプ5で、知識を集めることが生きがいになっているのであればタイプ9です。
359「The Thinker(思索家)」
おそらく一番見分けるのが難しいタイプ9。タイプ9が含まれるアーキタイプの中で一番279からかけ離れています。
ある英語サイトには「タイプ927とタイプ935は全く別のタイプであり、同じタイプ9に見えない」と名指しで書かれているほど。これから説明しますが、トンデモな誤診が起きやすいのもこのタイプです。
タイプ3やタイプ5と誤診されるケースが非常に多いです。特に多いのはタイプ5で、トライタイプの概念を理解していないとタイプ9の可能性を思い浮かべるのが無理なんじゃないかって思うレベルでタイプ5にそっくりです。
タイプ5と見分ける方法は囚われを見ること。これに尽きます。タイプ5と誤診されている場合は259と同じような傾向に落ち着くことが多いです。
また、このアーキタイプかつウィングが9w8の場合限定でタイプ8と誤診されているケースがあります。
特にウィングが8の方向に重い場合に多い誤診です。これはおそらくタイプ5がタイプ8と統合分裂の線でつながっている影響を受けるせい。他のアーキタイプの9w8と比べても、このアーキタイプの9w8は明らかにタイプ8の要素が強く出ています。
他のアーキタイプの場合はたとえどれだけ8のウィングが重くてもタイプ8じゃね?とか言われる光景はあまり見ませんが、このタイプに限ってはタイプ8誤診はわりとよくある現象です。キャラクター性格診断の場合、8w9と判定されているキャラでもタイプ5の影響が重そうな場合は一度このタイプを検証してみてもいいくらいにはよく誤診されます。
タイプ8との見分け方もやはり囚われを見ることです。タイプ9がメインの場合は平和だったり平穏だったりといった言葉が出てきます。このへんの言葉はたとえ8w9だったとしてもタイプ8がメインの場合はあまり出てきませんので、このあたりの言葉がたまにであっても出てくるようならおそらくメインタイプはタイプ9です。
お前本当にタイプ9かよ!?と言いたくなる人が一番多いのがこのタイプ。特にタイプ8との誤診が起きる場合はタイプ8にしか見えないような人も結構います。
おわりに
タイプ9関係の誤認はタイプ279のイメージがそのままタイプ9のイメージとして浸透しているという話が前提としてあります。
タイプ9「が」誤認されるケースはタイプ279から離れれば離れるほど見分けがつきにくくなることが原因のケースがほとんどです。
タイプ9「に」誤認されるケースはたいていは統合分裂関係です。
タイプ9キャラをリストアップするとお前ら本当に同じタイプかよ!?と言いたくなるようなメンバーが並んだりします。それくらい振り幅が大きいタイプなのです。
よくわからなくなったらエニアグラム判定の基本「囚われを見る」に立ち返ってください。だいたいなんとかなりますので。

